モンキームーンは不良僧侶のチャラ男だった話10
ごはんか、お腹すいてないけど、ラオスのPAで食事なんて面白そう。
話かけてくれた、カタコトの日本語を話す、すらっと背の高い男の子について行った。
日本のPAとは違って、建物の明かり以外には1本街頭があるだけで他は真っ暗。
建物は2階建ての小さなビルで、1階は薄暗い食堂。
食事をしているのは5~6組で、がらんとしていた。
あまりお腹はすいていなけど、興味本位で食べてみよう。
素麺みたいな太さのシンプルな麺料理をお盆にのせってもらって、
日本語が話せる彼と共に席に座った。
テーブルには、葉野菜やハーブの入ったボウルと何本もの調味料がセットされていた。
「これをたくさん入れて食べるんだよ。食べ放題だよ。」
「ナンプラー、シュガー、チリ。」
「これは〇〇〇(忘れた)。エビだよ。美味しいよ。入れてみて。少しずつね。」
テレビショッピング様に調味料のボトルを手に取りながら紹介してくれる。
紹介されたエビは、見た目が紫がかった茶色で、少し気が引けたけど、
アドバイス通り少しずつ入れるとエビの香ばしい香りと塩味が広がって、美味しかった。
「これをかけたらなんでも美味しくなるんだよ。」
彼は何故か得意げだった。
出発時間が来て、バスに戻る。
「それじゃあ、ありがとう。」
「僕は日本語を勉強しているんだよ。後でもっと話そう。」
彼が満員のバス中に響き渡る大声で言うので、少し恥ずかしかった。